2016年11月2日(旧暦では2016年10月3日)
沖縄では、比較的珍しいマガンの親子が金武町の田んぼにやってきました。海の方からやってきて田んぼの上空を幾度か旋回したのち100メートルほど離れた休耕田に着陸。長旅ご苦労様。田んぼに降り立ったマガンたちは、疲れた様子で立ちすくんでいましたが、しばらくすると草の葉や種を食いだした。夕方ごろには、空腹も収まったようで田んぼから上がると畔で眠る体勢に。いつまで滞在するのかな。
他には、コガモやヒドリガモ、ハシビロガモ、セキレイ類が増えていた。今季初のオオバンも数カ所で確認できました。シギは少なくなった。ヒバリシギとセイタカシギぐらいがぼちぼち。
小さな田んぼには、サシバが4羽ほど陣取っており、時折、お互いに近づきすぎて威嚇の上、強い方が弱い方を追い出していたが山に一旦隠れるもしばらくすると舞い戻っていた。居心地のよい田んぼなのだろう。
仕事が忙しく、10日以上バードウオッチングできなかった間に冬の鳥がどんどん増えていました。季節は進み出すとあっという間。沖縄本島では、稲刈りも始まりました。
マガン マガン成鳥。沖縄本島でマガンを見るのは初めて。石垣島では、年に1回ぐらい見るけど大抵は、1〜2羽。
マガン マガン マガン マガン マガン幼鳥。近距離でも落ち着いており、羽繕いなどしていました。
マガン マガン マガン マガン このマガン家族は、あまり人を恐れないようで2時間の観察で最終的には、10メートルほどの距離まで近づいてきた。
マガン オオバン 今季初確認のオオバン。あちこちに入ってきているようだ。
ハクセキレイ ヒドリガモ ヒドリガモ。マガモやハシビロガモなど10羽の群れでいた。
2016年11月6日(旧暦では2016年10月7日)
メイクマンで買い物した後、瀬長島に寄ってみたら、なんだか大きなアジサシがフワフワと飛んでいます。双眼鏡で覗くとオニアジサシでした。具志干潟に数羽がいるようです。石垣島でも毎年みられましたが、沖縄本島へもやってくるようです。この時季、沖縄へバードウオッチングに来る方は、空港から近いので、三角池と合わせて最後にのぞいてみては?
旅客機や戦闘機の離着陸でかなり騒々しいのですが、こんなところで越冬するのでしょうか。^^; 様子見を見てみたいと思います。
カメラを持っていなかったので、自宅に戻りカメラをとってきて撮影。あいにく、雲が出てきてしまったので、天気の良い後日、撮り直し。^^;
近くには、ユリカモメも飛んでいました。
オニアジサシ あいにくの曇天ですが、オニアジサシは近くを何度も飛んでくれました。
オニアジサシ オニアジサシは、全部で何羽いるのでしょうか? 越冬するのでしょうか?
ユリカモメ 2016年11月7日(二十四節気の立冬、旧暦では2016年10月8日)
今日は二十四節気の立冬ですが、沖縄は30度近い夏日でした。^^;
昨日の夕方見つけたオニアジサシ を撮り直してきましたが、現地についてしばらくすると仕事の呼び出しがありあえなく終了。^^; もうちょっと観察したかったなー。
2羽と思っていたオニアジサシが実は、5羽ほどいました。1羽は釣り針を呑んでいるようでくちばしから釣り糸が垂れ下がっていました。
瀬長島周辺の具志干潟は、魚が多いようで釣り人も多くいます。ミサゴも入れ替わりで何羽かやってきて首尾よくボラなどを捕まえていました。コサギやクロサギもあちこちに。
対岸の方には、ダイシャクシギが1羽いました。ほかには、コアオアシシギやキアシシギ、オオメダイチドリ、ダイゼン、チュウシャクシギなど。
ところで、ロクヨンは新しいEF600 F4L IS II USMになってから2倍のエクステンダーを入れても十分に解像してくれますね。
オニアジサシ オニアジサシ 着陸と同時にせっかく捕まえたボラを落としていました。そして、二度と拾いませんでした。なぜ?
オニアジサシ 戦闘機の轟音の中、悠々と飛び回っていたオニアジサシ。
オニアジサシ このオニアジサシの幼鳥は、釣り針を呑んでしまったようで、くちばしから釣り糸がのぞいていました。
ミサゴ ミサゴ ミサゴの幼鳥は、ボラを押さえ込んで食おうとするのですが、大変生きの良いボラで手こずっています。
ダイシャクシギ クロサギ クロサギも数羽が餌場にしているようですが、縄張り争いが絶えません。
コサギ コサギは、目の前までやってきて小魚を捕まえていました。
2016年11月8日(旧暦では2016年10月9日)
今日も具志干潟へ。釣り人の横で離発着する戦闘機や旅客機を見ながらのバードウオッチングでした。
昨日、5羽ほどいたオニアジサシは、2羽しか確認できませんでした。ミサゴは、入れ替わり立ち替わり獲物を求めてやってきます。ダイビングして魚を捕まえるシーンを撮りたいのですが、北風なので後ろ姿しか撮れず…。
ダイシャクシギは2羽に増えていました。
オニアジサシ 2羽残っていたオニアジサシは、北風に乗ってどんどん上昇し豆粒ぐらいまで上がりました。渡って行ってしまうのかと思ったら舞い戻ってきた。^^
オニアジサシ くちばしから釣り糸が出ていたオニアジサシ幼鳥は、糸が見えなくなっていました。完全に呑んでしまったのか、外れたのか…。
ダイシャクシギ ミサゴ 食いさしの魚をつかんだミサゴがやってきました。カラスにでも追いやられたのか?
ミサゴ 具志干潟には、ミサゴが複数いてたまに小競り合いが。
2016年11月8日(旧暦では2016年10月9日)
今季初のクロツラヘラサギが3羽、三角池にやってきました。10月初旬にも1羽居たそうですが、越冬個体としては今季初飛来だと思うので…。^^;
3羽のうちの1羽はおなじみのJ15の足環を装着した個体です。今年も無事にやってきてくれました!!
漫湖水鳥・湿地センターにはユリカモメが1羽飛来していました。 一昨日、具志干潟で見たユリカモメ かもしれません。
クロツラヘラサギ / 足環・フラッグ付き クロツラヘラサギ 冬の三角池の主役はクロツラヘラサギです。これからどんどん増えていくことでしょう。
2016年11月15日(旧暦では2016年10月16日)
今季3個体目となるソリハシセイタカシギが三角池にやってきました。途中、クロツラヘラサギの釣り糸被害未然防止のため、数名の環境省の職員がボディーボードに乗っての清掃に三角池に入り、鳥たちは全ていなくなりました。そんな中、ソリハシセイタカシギだけは逃げず。^^;
今季、 最初の個体は9月19日、田んぼで発見 。 2個体目は、9月29日に漫湖で発見 。上の嘴が途中で欠けている個体でした。
今年2月のソリハシセイタカシギ は3月上旬まで三角池で越冬しましたので、今年4羽目、今季3羽目のソリハシセイタカシギでした。この個体はいつまでいてくれるでしょうか。
全てのソリハシセイタカシギが第1回冬羽です。
具志干潟のオニアジサシも健在。クロツラヘラサギは6羽に増加して豊崎干潟で休んでいました。ヘラサギもクロツラヘラサギの群れに1羽混ざっていた。
ソリハシセイタカシギ(アボセット) 今年4個体目、今季3個体目のソリハシセイタカシギ第1回冬羽。
ソリハシセイタカシギ(アボセット) 清掃の人々に驚いて飛び立ったソリハシセイタカシギ。なんとも奇妙な形だ。
ソリハシセイタカシギ(アボセット) この小さな汚い池には、食料がたくさんあるようで毎年多くの野鳥が越冬のためにやってきます。ソリハシセイタカシギも嘴を左右に振っては小さな貝や水生昆虫を捕らえていました。
ソリハシセイタカシギ(アボセット) セイタカシギ タシギ タシギも「ジェッ」と鳴きながら高速で上空を旋回。鳴き声が何かに似ていると思ったら、リュウキュウコノハズクのヒナの鳴き声でした。
コガモ コガモ / セイタカシギ
2016年11月16日(旧暦では2016年10月17日)
午後から時間が空き、潮もちょうど良かったので砂浜の干潟にバードウオッチングに行ってきました。
ダイシャクシギやミユビシギ、ハマシギ、ダイゼンなど。ミユビシギは、越冬するようで10月から20羽ぐらいが常時います。ダイシャクシギは、1羽だったり2羽だったり。以前見たホウロクシギは抜けてしまったようです。
ダイシャクシギ ダイシャクシギが1羽いました。カニの巣穴に長い嘴を突っ込んでは、カニを捕まえているようです。
ミユビシギ ミユビシギは20羽ほどいました。先月からいるので越冬するようです。
ハマシギ ミユビシギの群れの中に、ハマシギが1羽混ざっていました。ハマシギは第1回冬羽。
ダイゼン 沖縄では、圧倒的にムナグロが多いですが、ここにはダイゼンも数羽滞在中。
シロチドリ メダイチドリ ミユビシギ ダイシャクシギ
2016年11月18日(旧暦では2016年10月19日)
かなり久しぶり(数ヶ月ぶり?)に南部の海岸を見に行ったら、ズグロカモメが1羽ふわふわと飛んでいました。石垣島では、今年の春に美しい夏羽のズグロカモメも飛来していました。しかし、こんなに撮りやすいズグロカモメは初めてだ!!
時折、急降下しては小さな獲物(カニ?)を捕まえていましたが、全て後ろ姿…。^^; 風向きが悪かった。
ヒドリガモやオナガガモ、ハシビロガモ、クロツラヘラサギなど多くの越冬水鳥もいました。
ズグロカモメ 1200mmでほぼノートリ。^^
海岸を西へ東へ飛び回りながらタイドプールの獲物を捕まえていた。
ズグロカモメ ズグロカモメ ズグロカモメ ズグロカモメは小さくて可愛らしいカモメ。おまけに愛想も良かった。
2016年11月18日(旧暦では2016年10月19日)
米須海岸からカモの群れを観察していると急に辺りが騒がしくなりました。双眼鏡から目を外して遠くに目をやるとなにやら猛禽らしき鳥影がこちらへ向かってきます。
これは、間違いなくカモを襲う!! 頭の中にはケニー・ロギンスの「デンジャーゾーン」が!! そうです、ファインダーの中に現れたのは猛禽界のトップガンことハヤブサでした!!
しかし、ハヤブサはカモを襲うことなく、地下水が湧き出た砂浜に舞い降り、水浴びを始めてしまいました。これは、狩らんね。^^;
というわけで、ハヤブサの貴重な水浴びを観察することができました。
上空にはミサゴも現れるのですが、やはり風向きが悪く飛び込みは全て後ろ姿…。
ハヤブサ どこからともなく海上を滑るようにやってきたハヤブサ。
ハヤブサ ハヤブサ ハヤブサ 湧き水で水浴び。ハヤブサは、ここから淡水が湧き出ているのをどうやって知るのでしょうか?
ハヤブサ ハヤブサ ハヤブサに気付かれないよう、岩礁に登って撮りました。この後、元来た方へ帰って行きました。
ミサゴ コサギ 目の前では、コサギが大きなボラを捕まえた。ボラと目が合いました…。^^;
2016年11月21日(旧暦では2016年10月22日)
豊崎干潟と三角池で、それぞれ嘴が特徴的なソリハシセイタカシギ、ヘラサギ、クロツラヘラサギを観察して来ました。豊崎干潟の6羽のクロツラヘラサギたちは、休憩モードでたまに羽繕いをする程度でほとんど動かず。
三角池のソリハシセイタカシギとヘラサギ、クロツラヘラサギは餌を探したり、羽繕いをしたりと割と活動的でした。
現在、沖縄本島内のクロツラヘラサギは9羽とヘラサギは1羽が豊見城市と糸満市で確認できます。
クロツラヘラサギ / 足環・フラッグ付き 豊崎干潟の満潮時に残る中洲には、クロツラヘラサギが6羽休んでいました。一番左のクロツラヘラサギは「J15」の足環が装着されています。
ヘラサギ 三角池には、ヘラサギが1羽。活発に動いていました。
ソリハシセイタカシギ(アボセット) クロツラヘラサギ 三角池のクロツラヘラサギ2羽は、餌を採ったりしていた。
ヘラサギ
2016年11月29日(旧暦では2016年11月1日)
忘年会のため、1泊2日で石垣島に行ったついでにバードウオッチングをしてきました。
田んぼには、ベニバトやソリハシセイタカシギ、ズグロミゾゴイ、カンムリワシ、ムラサキサギなど八重山らしい野鳥たちが2カ月ぶりの帰島を出迎えてくれました。しかし、天気は強めの雨です。^^;
夜は、コノハズクやアオバズクを見たかったのですが、雨が弱まる気配がないので断念。
沖縄本島では11月11日に初確認し、最近はかなり増えてきたシロハラなど大型ツグミ類は、石垣島にはまだほとんど渡ってきていませんでした。
石垣島シリーズ(11月27〜28日)
石垣島でバードウオッチング(カタグロトビ編/動画あり)
ベニバト ソリハシセイタカシギの近くの田んぼでは、キジバトに混じってベニバトが落ち穂を拾っていました。八重山では、キジバトの群れを見つけたら必ずベニバトを探さないといけません!!
ソリハシセイタカシギ(アボセット) ソリハシセイタカシギは、2羽入っていました。別々の田んぼです。
ムラサキサギ 石垣島に住んでいるときは、ムラサキサギはいつでも見つけられるのであまり写真に納めませんでした。しかし、沖縄本島では非常に少ないのでまずは成鳥を撮影。
ムラサキサギ ズグロミゾゴイ カンムリワシ シマアカモズ ユリカモメ 午前中は、強風が吹いていたからか、ユリカモメが田んぼでアマサギと過ごしていました。
シロハラクイナ シロハラクイナも沖縄本島では全く見ませんが石垣島ではたくさんいます。
カンムリワシ 田んぼでは、カンムリワシが小さなカメを食っていました。
2016年11月29日(旧暦では2016年11月1日)
3カ所ほどあるカタグロトビの狩場を スポッター石垣島ネイチャーガイドサービス さんの案内で訪れることができました。カタグロトビの狩りは、通常30分ほどで終わってしまうので自力発見は絶望的です。^^;
雨に祟られた1日目は、カタグロトビもやる気なしでカップルで枝に休んでいました。
打って変わり、2日目のカタグロトビは2羽が入れ替わり立ち代わり、目の前でホバリングしてくれました。ダブルホバリングには、どちらをファインダーに入れようかという贅沢な悩みまで。^^
この日は、フィーバーするカタグロトビを親の仇のように撮りまくり、写真のセレクトに苦労しました…。
石垣島シリーズ(11月27〜28日)
石垣島でバードウオッチング(田んぼ・牧草地編/動画あり)
カタグロトビ カタグロトビ 丈の高い草に間に潜むネズミを狙います。捕まえる瞬間は、草が邪魔で全く見えません。^^;
カタグロトビ 一瞬、こちらを向いてくれました。カタグロトビの真っ赤な目をなんとか見ることができた。
カタグロトビ 太陽が出てくれたらと思うのですが、天気がいいと狩をする時間帯が遅くなり、結局は暗いとのこと。ネズミの活動時間に合わせているのでしょう。
カタグロトビ 精悍な顔つきのカタグロトビですが正面は少し愛嬌がありますね。
カタグロトビ カタグロトビは、ホバリングして獲物を探すので、空以外の背景がなかなか無い。
カタグロトビ 日差しが出てくれればいいのだけど、一日中、曇りの石垣島でした…。^^;
カタグロトビ
2016年11月29日(旧暦では2016年11月1日)
ソリハシセイタカシギ多いのかな。今年、7個体目を田芋畑で確認。畑の上を飛んでいくのを確認して着陸地点を探すこと30分以上。やっと見つけたのは芋畑の奥の方。これは、見つからんわけだ…。^^;
しばらく観察していると、畑の人がやってきて畔をソリハシセイタカシギの方へ歩いて行き、驚いたソリハシセイタカシギはまたもや飛んで行きました。着陸地点を双眼鏡で見届け、再度、接近を試みると難なく撮影できました。^^
今年確認した7羽のソリハシセイタカシギのうち、2羽は石垣島で5羽は沖縄本島で見たものです。
ソリハシセイタカシギ(アボセット) ソリハシセイタカシギ(アボセット) 警戒心は、ソリハシセイタカシギにしては強めで、農家の人が通り過ぎると緊張していました。ピンと立った姿勢と美しく揃った長い脚は、バレリーナのようですね。^^
ソリハシセイタカシギ(アボセット) 最初見つけた時は、こんな場所。1200mmで撮ってこれだから距離も結構あります。