2017年3月5日(二十四節気の啓蟄、旧暦では2017年2月7日)
きょうは、二十四節気のひとつ啓蟄でした。虫がうごめく啓蟄らしく暖かい一日でした。
奄美や八重山、本土などからヤツガシラの話題が聞こえてくるようになったので沖縄本島でも見つけられないかとそれらしいポイントを回ってきましたが見つけられず。代わりに沖縄本島では非常に少ないアカハラを見つけることができました。近くにはシマアカモズもいた。八重山にはたくさんいるシマアカモズも沖縄本島では、なかなか見ることができない野鳥です。
シギチの渡りも始まっているはずなのですが、タカブシギやタシギ、ミユビシギぐらいしか確認できなかった。
猛禽では、サシバの数がかなり減っていた。繁殖のため、本土に渡る個体が出てきたようだ。 先日のチョウセンチョウゲンボウらしき個体 は換羽が進んでいた。全体の色がかなり淡いのと、背中の黒斑が少ないのでチョウセンチョウゲンボウでいいのかな?
アカハラ
沖縄本島では初めての確認となったアカハラ。シロハラは、掃いて捨てるほどいるんだけどアカハラは非常に少ない。
アカハラ
探し求めていたアカハラは、道路沿いのなんでもない芝生にいました。^^;
シマアカモズ
アカハラと同じ芝生には、シマアカモズもいた。こちらも沖縄本島では珍しい鳥。
チョウゲンボウ
チョウセンチョウゲンボウなのか普通のチョウゲンボウなのか。
チョウゲンボウ
チョウゲンボウにしては背中の黒斑が少ないと思うのだがいかに。
タカブシギ
春の渡り北上組でしょうか? タカブシギも増えてきた。
タシギ
ハクセキレイ
ハクセキレイは、20羽ほどの群れが芝生で餌をとっていた。
2017年3月7日(旧暦では2017年2月9日)
沖縄本島も春の渡りの季節に向けて野鳥の移動が始まった模様。冬には見られなかったツグミやアカハラが増えて、田んぼには、タヒバリの小さな群れも入っていた。4月下旬から5月上旬の渡りの最盛期まで何が現れるか楽しみ。^^
1月15日に初めて確認したミヤマガラス もまだいた。マガンは、昨年の 11月に見た群れ や 12月に見た群れ とは違うと思われる個体が1羽だけやってきました。
他には、留鳥のリュウキュウコノハズクやシロハラクイナ、ヒバリシギ、タカブシギなどの春の渡り組が少し見えました。コチドリは、夏羽になった個体もいた。
リュウキュウコノハズク
リュウキュウコノハズク。リュウキュウオオコノハズクの餌場にやってきました。肝心のリュウキュウオオコノハズクは現れず。^^;
ミヤマガラス
マガン
アカハラ
沖縄本島では、かなり珍しいアカハラも複数羽が飛来していた。
ツグミ
ツグミも沖縄本島では珍しく、冬にはほとんど見かけなかった。春の渡りのシーズンになったらあちこちで遭遇。
タヒバリ
タヒバリは6、7羽の小さな群れをつくって田んぼを飛び回っていた。
タヒバリ
警戒心の強いタヒバリが多い中、この個体は目の前で観察、撮影できた。
シロハラ
シロハラは、やんばるから新都心までどこにでもいる。
シロハラクイナ
シロハラクイナは、4個体ほど観察できた。どれも警戒心が強い。
ヒバリシギ
コチドリ
コチドリも夏羽をちょこちょこ見かけるようになりました。
2017年3月11日(旧暦では2017年2月13日)
J15が昨年の11月8日に初確認 されて以来、4カ月以上たったクロツラヘラサギたち。三角池やその周辺、豊崎あたりで過ごしていた群は最大19羽ほどいましたが、現在は8羽ほどがまだ滞在中。
12月24日に確認されたJ10の足環をつけたクロツラヘラサギは単独で餌探しに忙しそうでした。夏羽にも変わりつつあるようで、胸のあたりや冠羽に少し黄色味がかってきた。
クロツラヘラサギ / 足環・フラッグ付き
胸のあたりの冠羽がやや色付いてきたクロツラヘラサギ。
クロツラヘラサギ / 足環・フラッグ付き
クロツラヘラサギは、浅瀬を走りながら自慢のくちばしで獲物を捕まえていた。
クロツラヘラサギ / 足環・フラッグ付き
クロツラヘラサギ / 足環・フラッグ付き
クロツラヘラサギとダイサギは、小さな堰を利用して獲物を捕まえていた。近くにはカワセミも。
2017年3月14日(旧暦では2017年2月16日)
3月1日に第一子が生まれて以来、今までのようにはなかなかバードウオッチングに行けない日々を送っています。
昨年より越冬しているビンズイのポイント近くで取材があったのでついでに様子を見てきた。ビンズイの群れは、当初より同じ場所が気に入っているようで数カ月たった現在も7羽ほどがまだ滞在していました。
ビンズイお気に入りの芝生には、リュウキュウコスミレの花が咲きだしてすっかり春の様相。ビンズイたちも春の気配を感じてそろそろ繁殖の地へ渡っていくことでしょう。
ビンズイ
ビンズイ
ビンズイ
ビンズイが松の実を食っていた。鳥たちは、餌の少ない冬には色々なものを食いますがビンズイは松の実も食うようです。
2017年3月17日(旧暦では2017年2月19日)
暑さ寒さも彼岸までというわけで、きょうは、春の彼岸入りでした。沖縄本島のきょうの最高気温は22度。明日、八重山では小浜島で海開きが行われます。20日には春分を迎え、いよいようるずんの季節到来です。
冬の間、何度か見つけてはいたのですが暗かったり、藪の中だったりでなかなか撮影ができなかったアオジをやっと撮ることができた。^^; 先日、やんばるではシベリアアオジの群れを見つけたがこちらも撮影はかなわず…。
きょうのアオジは、牧草地に点在するススキの種子を食っていました。オスのアオジの後ろ姿を見たときは、シベリアアオジかと一瞬迷いました。^^;
アオジ
アオジのメス。警戒心が大変に強く比較的近くで撮れたのはこの個体だけ。
アオジ
こちらはアオジのオス。グレーの頭巾がシベリアアオジっぽい。
アオジ
アオジ
沖縄のアオジは、とにかく警戒心が強く何かに驚くとすぐに藪の中に潜ってしまいます。
2017年3月21日(旧暦では2017年2月23日)
コガモやハシビロガモもだんだんと少なくなっています。アオアシシギは今月半ばあたりから増えたり減ったり。多いときは、70羽ほどの群れが観察できます。春の渡り組でしょう。
セイタカシギは美しい夏羽に衣替えした個体も増えてきた。
1羽だけいたアカアシシギは三列風切が白く見えます。一部白化個体か?
コチドリやヒバリシギ、バン、オオバン、カルガモなども滞在中。クロツラヘラサギはいたりいなかったり。三角池にいないときは、豊崎干潟にいることが多い。
セイタカシギ
セイタカシギ
セイタカシギ
アカアシシギ
白い部分が目立つアカアシシギ。翼後縁の白帯でもなさそう。一部白化個体か。
ハシビロガモ
アオアシシギ
2017年3月23日(旧暦では2017年2月25日)
暗色型のサシバは、昨年の10月ごろ沖縄本島でたった一度だけ金武の上空を飛ぶ姿を確認。その時は、撮影には至らずで悔しい思いをしていたが本日、念願の撮影がかなった。^^ 暗い色合いが背景に溶け込んでしまい、普通のサシバより見つけにくいですね…。^^;
近くにいる他のサシバやカラスに追いやられていたので、春の渡りで南の方から新たにやってきた個体なのだろうか? どちらにせよ、3月末には沖縄本島のサシバはほとんどが繁殖地へ旅立ちいなくなります。
この日は、20羽以上のサシバを観察。半数近くが幼鳥でした。
サシバ
暗色型のサシバ。全身タイツの悪役戦闘員っぽくてかっこいいですね!!
サシバ
他のサシバがちょっかいを出しに来るのでなかなか落ち着かない様子だった。
サシバ
サシバ
サシバ
サシバ
サシバ
サシバ
農作業の車が行き来するところにサシバ。いつも人を見ているからこんなに近くで撮れる!!
サシバ
2017年3月25日(旧暦では2017年2月27日)
日本最南端で繁殖しているムクドリ。渡りでは八重山にも越冬のため少数がやってきますがカラムクドリやギンムクドリより少ない程度。
沖縄本島では、那覇市内で少数が繁殖しているようです。
ムクドリ
ムクドリ
2017年3月25日(旧暦では2017年2月27日)
豊崎干潟にクロツラヘラサギが5羽。三角池には、3羽いた。夏羽に変わりつつあり立派な冠羽が目立つようになってきました。
クロツラヘラサギ / 足環・フラッグ付き
J15の足環をつけたクロツラヘラサギがいました。胸のあたりも色づいてきています。
クロツラヘラサギ
クロツラヘラサギ
2017年3月28日(旧暦では2017年3月1日)
今年初の石垣島バードウオッチングに行ってきました。今回は、1泊2日の短期決戦。カタグロトビとヤツガシラ、クロウタドリをメインにしました。夜探も行きたかったのですが、宴会が入っていたので断念。
石垣島に到着後、私の友人であり石垣島ナンバーワンの野鳥ガイド「スポッター」が 2017年3月のBIRDER誌に寄稿したカタグロトビ の巣立ちを確認しにポイントへ。短い時間でしたが、なんとか幼鳥の姿を見られました。親鳥2羽も久しぶりに撮影。足場が悪かったのでスポッターさんに長靴まで貸してもらった。^^
カタグロトビの詳しい営巣記録を私の師匠が ウェブログに載せています 。
石垣島シリーズ(3月26日〜3月27日)
石垣島でバードウオッチング(カタグロトビ巣立ち編)
石垣島でバードウオッチング(クロウタドリ編)
石垣島でバードウオッチング(ヤツガシラ編)
カタグロトビ
カタグロトビ
日本で初めて営巣・巣立ちが確認されたカタグロトビの幼鳥。幼鳥の目はまだ赤くないです。カタグロトビ特有のあの赤い目になるにはどれくらいの期間が必要なのか。
2017年3月29日(旧暦では2017年3月2日)
今回の石垣島鳥見では、クロウタドリが7羽確認できました。春の渡りのピークは過ぎていましたが多くのクロウタドリを見つけることができた。与那国島や西表島でも大変多くのクロウタドリやヤツガシラが見られており、今年はどちらも当たり年だったようです。
事前に聞いた話では、クロウタドリは抜けつつあり出会いは少ないとのことだが、久宇良や川平、石崎などポイントに行くと必ず見つかるという感じでした。オスが多く飛来していたのも嬉しいですね。
石垣島シリーズ(3月26日〜3月27日)
石垣島でバードウオッチング(カタグロトビ巣立ち編)
石垣島でバードウオッチング(クロウタドリ編)
石垣島でバードウオッチング(ヤツガシラ編)
クロウタドリ
石崎で見つけたクロウタドリ。ここにはオスが2羽いましたが、どちらも人を恐れず数メートルの近さまでやってきました。近くに多くいるカラスとも仲良しなコミュニケーション能力の高いクロウタドリたちでした。^^
クロウタドリ
上の個体と同じ場所にいたクロウタドリ。こちらも愛想が良かった。
クロウタドリ
クロウタドリを撮影していたらカラスが被ってきました。^^; クロウタドリが黒いと言ってもカラスの黒さにはかないませんね。
ツグミ
クロウタドリ
クロウタドリ
上のクロウタドリの近くにいた。道路ぎわで見つけたけど、歩行者に驚いて近くの枝に止まったところ。
クロウタドリ
クロウタドリ
クロウタドリ
2017年3月29日(旧暦では2017年3月2日)
沖縄本島でのヤツガシラ探しは諦めて、石垣島で見つけてきました。事前の情報では、数日前にほとんど抜けてしまっていると言うことでしたが、なんとか3羽のヤツガシラを探し出しました。^^
石垣島には、毎年ヤツガシラが渡ってくる場所がいくつかあるのですが、今回の3羽はそのメインのポイントから微妙に離れた所にいました。
今年のヤツガシラは当たり年だったらしく、宮古島では一箇所に13羽いたり石垣島でも一日に10羽以上見つけられたり、西表島や与那国島でもいそうな場所には必ずいるという状況だったようです。
石垣島シリーズ(3月26日〜3月27日)
石垣島でバードウオッチング(カタグロトビ巣立ち編)
石垣島でバードウオッチング(クロウタドリ編)
石垣島でバードウオッチング(ヤツガシラ編)
ヤツガシラ
畑に堆肥を入れた場所にヤツガシラがいました。地面の色と似ていて見逃しかけました…。^^;
ヤツガシラ
こちらは、崩れかけた骨組みだけが残る農業用のハウスの中にいました。こんな所にいるなんて!!
いつもなら見逃していたと思いますが、今回はなんとしてでも見つけたいとかなり丹念に探していたのが奏功したようです。2羽目のヤツガシラ。
ヤツガシラ
3羽目のヤツガシラは崎枝で発見。枯葉の積もった歩道にいた。緑の美しい芝生の上でのヤツガシラを見たかったけど今回はどこも茶色い背景でした。^^;
ヤツガシラ
ヤツガシラ
ヤツガシラ
白いゴキブリを食うヤツガシラ。脱皮したてなのでしょうか?
ケリ
堆肥の積まれた畑にはヤツガシラとケリがいた。ケリは、ヤツガシラの獲物を横取りしようと狙っているようでしたが、襲われそうになったヤツガシラは素早く林に逃げていた。下の動画にはその様子が映っています。
ジョウビタキ
ジョウビタキが大量にいました。群れが石垣島を通過する時季に当たったようです。
ジョウビタキ
ジョウビタキのオス。この日は、全部で何羽のジョウビタキを見たか分かりません。^^;
2017年3月29日(旧暦では2017年3月2日)
2月7日に発見したセアカモズ(交雑?) は滞在50日が経過しました。
囀りと体型はセアカモズそのもの。しかし、尾羽の白斑の入り方はセアカモズらしくない形だけど、モズの仲間で尾羽に白斑が入るのはセアカモズだけ。シマアカモズとの交雑なのだろうか?
最初に見つけた時 より、ずいぶん夏羽らしくなってきた。
セアカモズ
セアカモズ
セアカモズ
胸に一部あったウロコ模様の幼羽はすっかり抜け変わりました。
セアカモズ
セアカモズ
2017年3月29日(旧暦では2017年3月2日)
寒い国のコクガンがなぜか沖縄にやってきました。最初に発見したのは辺土名高校サイエンス部野鳥班で、クロサギの調査を糸満市の海岸でしていたところ発見したようです。
コクガンは、海岸に繁茂する海藻をひたすら食っては糞を落としていました。
昨年の2月27日に千葉県まで見に行った のにわざわざコクガンの方から沖縄まで来てくれるとは!!
コクガン
コクガン
昨年、千葉県で見た個体より幼く見えますが幼鳥なのでしょうか。
コクガン
羽衣の状態も成鳥には見えません。コクガンは何年で成鳥羽に変わるのかわかりませんが幼羽の特徴の中雨覆と大雨覆の白帯はかなりすり減って見えますね。
コクガン
釣り人などがかなり近づいてもあまり逃げる気配がありません。
コクガン
いつまで滞在するか分かりませんが、時折のぞいてみたいと思います。
2017年3月31日(旧暦では2017年3月4日)
渡り途中だと思われるミユビシギがいました。
沖縄本島では、うるま市など越冬するミユビシギの群れもいるのですが、いつも遠くてよく観察できませんでした。糸満市で見つけたこのミユビシギは、目の前15メートルほどに降り立ってきました。ミユビシギのいるような環境ではないので春の渡りの途中、羽を休めに少し寄っただけでしょう。
ミユビシギ
ミユビシギの名前の由来の通り、指が3本しかないことが確認できました。^^
ミユビシギ
ミユビシギ
沖縄本島では、ミユビシギを近くで観察できる機会は少ないので写真もたくさん撮っておきました。
ミユビシギ
2017年3月31日(旧暦では2017年3月4日)
昨日は沖縄の「浜下り」、八重山ではサニズといって一年の内でもっとも潮がひく旧暦の3月3日の行事がありました。この日は、女性が海に手足を浸し清め、健康を祈願する日ですが、大勢の潮干狩り客や釣り客も浜にやって来ます。
今日も昨日ほどではありませんが干満の差があるので、コクガンがいる場所は、釣り客で賑わっていました。ここのコクガンは、あまり人を恐れないようですが、さすがに今日は、海岸から離れて休んだり餌となる海藻を食ったりしていました。
3月27日に確認されてから今日で5日目の滞在。
コクガン
コクガンの手前や後ろの緑は全てコクガンの餌となる海藻。
コクガン
一口ずつ引き抜いては海藻を食っていた。餌はいくらでもあるがいつまで滞在するのだろうか。
コクガン
コクガン
風が強かったのでコクガンの口から海藻が飛ばされました。^^;