今年の2月21日に交通事故に遭い、瀕死の状態で救護されたカンムリワシが約160日ぶりに自然に帰りました。環境省職員も獣医師も助かる確率は相当低いと見ていましたが、驚異的な生命力で復活しました。まさに不死鳥。
放鳥現場で判明したのですが、第一発見者はよく知る人でした。カンムリワシにはその知人の娘さんが「嘉例」と名付けました。「嘉例」は「かりー」と読み、乾杯の掛け声に用いられ、「ぐすーよー、かりーさびら!!」などと使います。意味は「みなさん、かんぱいしましょう!!」で沖縄本島でよく使われる言葉です。
そんなめでたい名前をつけられた「嘉例」ですが、事故で右の眼球を損傷したほか、右の翼と足を骨折しました。獣医師の懸命な治療とリハビリを担当する石垣やいま村のスタッフの献身的な世話でなんとか8月1日に自然に返すことができました。骨折は完治したのですが、残念ながら右目は失明してしまっていましたが、元気よく飛び去っていきました。
地面に置かれると迷うことなく飛び立ったカンムリワシの嘉例。左足には個体識別用の「5」が刻印された青い足環を装着。貴重な記録になるので、元気にしている姿を見つけた際はお知らせください。
アオバズクが巣立ちました。カップル成立が例年より遅かったので巣立ちも遅れました。カップルのどちらかが変わったのでしょうか。
アカショウビンはどこも巣立ちが終わって、親鳥たちはほっと一息。巣立ったヒナたちは親の縄張りに止まっていますが、獲物は自分でとっています。
リュウキュウヨシゴイも子育て終わり、あちこちの田んぼで幼鳥が出だしています。ムラサキサギも独り立ちした幼鳥が田んぼに現れだしました。アカガシラサギやクロツラヘラサギは秋の渡りで飛来しています。
シギやチドリは少しずつ動きだしています。秋の渡りが本格化するにつれ、どんどん数と種類を増やしていきます。
アジサシ類は子育て真っ最中。エリグロアジサシは孵化後1週間から2週間程度たったヒナたちの姿が見えだしました。
今季、最後の巣立ちとなったアオバズク。巣内にはまだ残っていました。
2年前、繁殖しているところを確認した標識付きのリュウキュウコノハズク を2年ぶりに再確認。
この個体はメスで、2021年に波照間島で研究のため標識をつけられた134個体のうちの1羽でした。2023年9月23日付の新聞にも掲載しました。
引き続き、観察できるといいですね。^^
今季の巣立ち第1号はリュウキュウアオバズクでした。昨年と同じ場所で2羽が無事に巣立ちました。アオバズクの巣立ちといては、かなり早いタイミングでした。
アカショウビンの巣穴掘りを確認。今季はアカショウビンの個体数が多く、見つけた巣の数も多すぎていくつだか忘れました…。どこも無事に推移していくことを願うばかりです。
今年は全国的に数が少ないように感じるソリハシシギを石垣島でも確認。遅いのは例年のことですが、数が少ないのが気になります。近くにはアカアシシギが1羽寂しくいました。キアシシギは複数が滞在。沖縄本島ではメリケンキアシシギも出ているので、石垣島でも期待しています。
アオバズクの巣立ちビナとメス親(右)。