2024年5月2日(旧暦では2024年3月24日)
昨年の春のハリオシギは5月29日が最後の確認 でしたが、今季はこれで終認となりそうです。
この春は、シギ、チドリの数がとても少なく、ハリオシギやチュウジシギ、タシギの出会いもほとんどありませんでした。8月中旬から渡りが始まる秋のジシギに期待です。
そして昨年に続き、今年の秋も8月下旬ごろに「第3回石垣島ジシギ合宿」を開催したいと思います。ふるってご参加ください。 第1回(秋) 、 第2回(春) の模様もご覧ください。
ハリオシギ 稲が成長して、全身を拝むことはできませんでしたが、ハリオシギを発見。
ハリオシギ 上と同個体。今季最後のハリオシギとなる可能性大なので、尾羽を狙って粘りました…。^^;
ハリオシギ 貴重なハリオシギの脇!! この個体は5月7日が終認でした。
ハリオシギ 別個体のハリオシギ。こちらは5月1日が最後の確認です。
タマシギ 久しぶりにタマシギのメスに遭遇。オスはこの時期、抱卵中でしょうか。
2024年5月6日(旧暦では2024年3月28日)
リュウキュウコノハズク、リュウキュウアオバズクともに繁殖シーズンに入りました。どちらも複数箇所で抱卵スタートです。6月下旬ごろには巣立ちが見られると思います。
リュウキュウコノハズク リュウキュウコノハズクのオス。このペアは、昨年とほぼ同じタイミングでの繁殖スタートです。リュウキュウコノハズクは3巣確認。
リュウキュウアオバズク リュウキュウアオバズク 2024年5月7日(旧暦では2024年3月29日)
田んぼにつくと土砂降りの雨に見舞われましたが、しばらくして止むと草むらからリュウキュウヨシゴイが出てきました。
雨の後は活性が高く、同じエリアでオス2個体、メス1個体を見ることができました。オスのさえずりも始まり、動画に収めることもできました。^^
リュウキュウヨシゴイ 土砂降りの雨が止むと目立つところに現れたリュウキュウヨシゴイのオス。婚姻色が出ています。
リュウキュウヨシゴイ リュウキュウヨシゴイ ほかの個体の鳴き声に反応して飛んでいってしまいました。
リュウキュウヨシゴイ 別個体のリュウキュウヨシゴイ。こちらの婚姻色はそれほど目立ちません。
チュウサギ リュウキュウヨシゴイを見ていたら、チュウサギが目の前に降りました。
2024年5月9日(旧暦では2024年4月2日)
自宅近くに現れたオウチュウは、少しずつ東に移動しながら滞在4日目となりました。警戒心のない個体で、いつも道路脇の電線に止まっています。石垣島の今季はオウチュウの当たり年で、多い日は一日で20羽近い個体が観察されていました。
ツバメチドリの小さな群れは田んぼに入っていました。クロハラアジサシと同じエリアで虫をとりますが、クロハラアジサシはふわふわと飛んで稲に付いている虫を捕食。ツバメチドリは高いところで飛んでくる虫を襲っていました。
田んぼには、クロツラヘラサギ、ヘラサギ、アカガシラサギなども次々と飛来しています。
オウチュウ ツバメチドリ ツバメチドリ ツバメチドリ 6羽の小さな群れでした。このまま移動していくものと思われます。
ヘラサギ クロツラヘラサギ オタマジャクシを捕食するクロツラヘラサギ。若い個体です。
クロツラヘラサギ クロツラヘラサギ(右)とチュウダイサギの大きさ比べ。
クロハラアジサシ クロハラアジサシ ムナグロ アカガシラサギ アカガシラサギ 別の場所にいたアカガシラサギ。遠すぎてよく分からない。
ムラサキサギ キアシシギ アオアシシギ 2024年5月11日(旧暦では2024年4月4日)
アカショウビンは順調に繁殖が推移しているようで、巣作りしたり、求愛給餌したりの風景が観察できます。
クロツラヘラサギは数日前から滞在。アカガシラサギはあちこちの田んぼに夏羽個体が複数います。
水面の見える田んぼでは、エリマキシギやウズラシギ、コアオアシシギ、クロハラアジサシなどが休んでいました。
リュウキュウアカショウビン 自宅近くのリュウキュウアカショウビン。巣穴を何カ所か試し掘りしているようです。
クロツラヘラサギ アカガシラサギ アカガシラサギ こちらは2羽でいたアカガシラサギ。冬羽を残していました。
エリマキシギ ウズラシギ ウズラシギは4羽。この個体の夏羽が一番の仕上がりでした。
コアオアシシギ コアオアシシギは夏羽に変わりつつありますが、まだ冬羽を残しています。
クロハラアジサシ 2024年5月12日(旧暦では2024年4月5日)
田んぼを回っていると林縁部からリュウキュウキビタキの鳴き声。探してみるとオス個体がさえずっていました。なぜか田んぼの灌木にも移動していました。
久しぶりにバンナ公園を訪れるとリュウキュウアカショウビンに複数個体出会えました。オスが目立つので、すでに抱卵に入っているペアが多いのかもしれません。
ベニバトも1羽確認。渡ってきたばかりで疲れているのか、電線に止まったまま時折、目をつぶっていました。
夕方の田んぼではリュウキュウツミが農道におりてきょろきょろしています。観察していると茂みに逃げ込んだスズメを狙っているようでした。
リュウキュウキビタキ リュウキュウキビタキ リュウキュウアカショウビン バンナ公園のアカショウビン。お気に入りのモダマの太いつるに止まっていました。
ベニバト リュウキュウツミ 茂みに逃げ込んだスズメを狙うリュウキュウツミのオス。
リュウキュウツミ この田んぼによく現れる若い個体で、警戒心は全くありません。朝と夕によく出没します。
雑種
2024年5月14日(旧暦では2024年4月7日)
オニカッコウの鳴き声がするので双眼鏡で見回してみるとモクマオウのてっぺんでさえずるオスを発見。近くへ寄れそうなので、慎重に車を進めました。100メートルほどまで近づいてもこちらを気にする気配はなし。さらに接近。あと20メートルのところで道が途絶えたので、茂みに隠れながら徒歩でさらに近づき、オニカッコウがさえずるモクマオウの下まで行くことができました。こちらに気づいていないようで、間近で迫力の姿と鳴き声を堪能することができました。これまでもしばしば確認されていましたが、石垣島のオニカッコウは2020年ごろから5月の飛来数がかなり増えています。
10分ほど観察しているとすぐそばの茂みからオニカッコウのメスの鳴き声。2個体いるようでした。メスの鳴き声に誘われるようにオス個体がいなくなったので付近を探索。オニカッコウの托卵相手と見られるオサハシブトガラスも巣を作っているようでした。これは繁殖の確認ができるかもしれないチャンスですね!!
今季は石垣島をはじめ、沖縄本島や南西諸島各地で飛来が多いオウチュウですが、ピークが過ぎてしばらくたちましたが、この日は2羽確認しました。さすがにそろそろ終わると思います。
自宅近くで毎年、繁殖するリュウキュウコノハズクは今年も抱卵スタートしたようです。7月初旬にはヒナが巣立つと思われます。
オニカッコウ オニカッコウのオス。かなりの至近距離で長時間、観察することができました。
オニカッコウ 100メートルぐらい離れてのオニカッコウ。近くにヒヨドリも止まっており、オニカッコウの大きさが際立っていました。日本産のカッコウ科で最大の体格を誇るだけあり、オサハシブトガラスと同大でした。
オウチュウ 田んぼに現れたオウチュウ。旧羽を多く残している個体です。第1回夏羽へ移行中でしょうか。
オウチュウ 上と同個体を前から。胸の辺りも旧羽が目立ちます。この日は別にもう1個体確認。
リュウキュウコノハズク 自宅近くで毎年、繁殖するリュウキュウコノハズク。営巣木はいつものモクマオウのようでした。
2024年5月16日(旧暦では2024年4月9日)
石垣島で5月1日に発見されたリュウキュウガモが再び、現れました!! 滞在2週間の長逗留となっています。動画も撮影できました。いつまでいてくれるのでしょうか?
このリュウキュウガモですが、石垣島で撮影される前の4月28日に西表島で確認されていたようです。新聞に掲載されてリュウキュウガモだと気付いたそうです。さらに、近所の人は昨年、ある河川の下流域で2羽を見たそうです。生き物に興味のある農家の人で、話の内容を聞いてもリュウキュウガモの可能性が高そうです。
さらに、あるウェブログの記事では、2006年の5月下旬から6月上旬に小浜島で不鮮明ですが、撮影されているようです。
リュウキュウガモは沖縄が繁殖の北限でしたが、1963年の慶良間列島での観察例を最後に確実な記録が途絶えていました。1999年の調査で2羽を確認したと山階鳥類研究所の報告書にありましたが、写真などなく詳細不明でした。
西表島のどこかの河川で、やんばるのオシドリのように少数が生息していたりしないかと夢が広がりますね。
リュウキュウガモ リュウキュウガモ リュウキュウガモ
2024年5月17日(旧暦では2024年4月10日)
リュウキュウコノハズクは5カ所目で抱卵開始を確認しました。近所のリュウキュウアカショウビンは最近、メス個体の姿を見ないので、こちらも抱卵中かもしれません。
カンムリワシの保護個体のみっちゃんは、この辺りを縄張りにするオスにやられっぱなし ですが、こりずにやってきて餌探ししています。この夏、しっかり栄養を付けて冬を乗り切り、立派な成鳥へなることを期待します。
リュウキュウガモは引き続き、滞在中です。通行車両やカラスなどに対しての反応が落ち着いてきて、一日の行動パターンも安定してきたので長期滞在しそうです。越夏したら多くの鳥屋の目を楽しませてくれそうです。
リュウキュウコノハズク 巣を見張るリュウキュウコノハズクのオス。同じ場所で3年連続の繁殖です。
リュウキュウアカショウビン 近所のアカショウビン。目の前を通りかかったガを空中キャッチしましたが、吐き出して捨ててしまいました。
カンムリワシ / 足環・フラッグ付き タウナギをのみ込む救護カンムリワシのメス「みっちゃん」。お気に入りのえさ場になっていますが、この場所では縄張りの個体と争いが絶えません。
ノスリ 自宅上空を通過したノスリ。獲物をとったばかりのようで、のど元が膨らんでいます。
リュウキュウガモ カルガモ 水路に子連れのカルガモ。ヒナがカンムリワシに付け狙われていました。
2024年5月18日(旧暦では2024年4月11日)
石垣島のリュウキュウガモは再発見 以降、継続して観察できています。釣り人が来ると驚いて遠くへ移動し、草むらに隠れてしまいます。土日は釣り人が多いようですね。
衰弱で救護されていたカンムリワシ幼鳥の放鳥を取材してきました。左足に「6」の数字が刻印された赤い脚環が標識されています。名前はリハビリを担当した方により「未来」と名付けられました。関係者や報道陣に見守られながら、力強く羽ばたいていきました。
リュウキュウガモ リュウキュウガモ 釣り人に警戒して午後は草むらから首を出すだけになっていました。
カンムリワシ 力強く羽ばたくカンムリワシの幼鳥。救護されてから1カ月半での放鳥となりました。
カンムリワシ 負荷したのが昨年の今ごろなのでちょうど満1歳となります。まだまだ幼羽に覆われていますが、かなり摩耗が進んでいますね。
2024年5月20日(二十四節気の小満、旧暦では2024年4月13日)
毎日、見られているリュウキュウガモ。この日は警戒心が強めでした。朝も夕方も首から上ぐらいしか見えませんでした…。
アカガシラサギや沖縄や八重山では数少ないケリが飛来していました。
リュウキュウガモ リュウキュウガモ オオバン(手前)とリュウキュウガモ。この日は警戒して姿があまり見えないリュウキュウガモでした。
アカガシラサギ ほぼ夏羽のアカガシラサギ。今季もたくさん飛来しています。
ケリ 石垣島では数少ないケリが到着。ちょっと疲れた様子でした。
2024年5月21日(旧暦では2024年4月14日)
石垣島に飛来したリュウキュウガモは滞在3週間の長逗留となっています。この日は活発に動き、採餌行動や飛翔する姿を確認することができました。昔は沖縄を北限として生息していたリュウキュウガモ。和名に琉球とついているので、今後、記録が増えて分布が復活することを期待します。
リュウキュウガモを一目見ようと知人が4組来島。みなさんオニカッコウとセットで石垣島の野鳥を楽しんでいます。今週も数組がリュウキュウガモ狙いでやってくる予定です。リュウキュウガモを見たい方は スポ ッターさんへガイドの予約 を!!
リュウキュウガモ リュウキュウガモ 休んでいた草むらから飛び出したリュウキュウガモ。ほぼ垂直に離陸しました。
リュウキュウガモ こちらへ向かって飛んできます。リュウキュウガモの特徴でもある長い足が目を引きますね。日本で記録のあるカモの仲間で飛翔時に足の長さが尾羽を超えるのはリュウキュウガモだけの特徴です。
リュウキュウガモ ファームウェアのヴァージョンを2系にしてからAFのフリーズに悩まされるα1ですが、この時はしっかり追尾。貴重なリュウキュウガモの飛翔写真を量産することができました。^^
リュウキュウガモ リュウキュウガモ リュウキュウガモ 水中にある水草か藻類のようなものを食っていました。
リュウキュウガモ リュウキュウガモのかわいらしさは、カリガネのようなアイリング由縁でしょうか。
2024年5月29日(旧暦では2024年4月22日)
ホトトギスが近距離で観察できました。成鳥と若い個体で、松林で採餌していました。周辺にはオニカッコウが6羽ぐらいいて、トケンが集中して多いエリアでした。
大雨などありましたが、リュウキュウアオバズクの抱卵は順調のようで、オスがしっかり見張りをしていました。年々、警戒心がなくなり、散歩の人が目の前を通っても気にする様子はありません。
- コアジサシは昨年に続き、クルーズ船用のターミナルビル建設予定地に30羽近く飛来。すでに抱卵している個体もいました。
- 昨年はPAC3配備で巣が全滅 <https://shimasoba.com/blog/2230/> して今いましたが、果たして今季はうまくいくのか…。シロチドリはふ化して間もないヒナから少し飛べるようになっているヒナまで数羽が走り回っていました。
シロハラクイナは子育て真っ最中でヒナを連れたペアによく遭遇します。繁殖期は長いので、しばらくは成長のステージがさまざまな家族連れにであると思います。
稲刈りが終わった田んぼではムラサキサギやアオサギ、チュウダイサギ、コサギなどが獲物を狙って集まっています。
ホトトギス リュウキュウアオバズク 見張りのアオバズク。手が届きそうなところを歩行者が通っても気にしない…。
コアジサシ コアジサシのコロニー。今季は成功してほしいですね。
シロチドリ シロチドリ シロハラクイナ 道路にできた水たまりで水浴びするシロハラクイナの親子。
ムラサキサギ 翼を広げてほかの個体を威嚇するムラサキサギ。逃げ腰でした。
ムラサキサギ 上の個体と対峙するムラサキサギ。羽を膨らませて距離を詰めていました。
アオサギ タウナギを捕まえたアオサギ。タウナギが豊富にいるようで、カンムリワシやムラサキサギ、チュウダイサギなどもタウナギを食っていました。
2024年5月31日(旧暦では2024年4月24日)
あまり行かない雑木林を久しぶりに訪れるとリュウキュウサンコウチョウのペアがうろうろしていました。同じ枝に並ぶこともあり、ペアリングが済んでいる模様。おそらく繁殖すると思うので推移を見守りたいと思います。
リュウキュウコノハズクは複数個所で抱卵していますが、まだまだヒナは小さいようです。一方、リュウキュウコノハズクで早期に繁殖に入ったペアはヒナがすでに大きくなっているようで、メスも巣外に出ています。間もなく巣立ちすると思われます。
リュウキュウサンショウクイの巣だった幼鳥がわが家に訪れました。メジロやシジュウカラと虫を取っているようでした。
リュウキュウサンコウチョウ リュウキュウサンコウチョウ リュウキュウコノハズク リュウキュウコノハズクのオス。ここの巣からは、6月中旬にはヒナが巣立つと思われます。
リュウキュウアオバズク リュウキュウアオバズク 上の個体とペアのオス。道を挟んでウオーキングの人から手が届きそうなところに陣取って見張りをしています。
リュウキュウサンショウクイ わが家の玄関からリュウキュウサンショウクイの幼鳥を撮影。巣は分かりませんでしたが、毎年、近所で繁殖しています。